【オーバーホールとは】
時計の内部には、部品同士が擦れ合う際に発生する摩擦を低減する為に、オイル(潤滑油)を注してあります。そのオイルは約3年程度で劣化し始めます。オイルが劣化し始めると、部品同士が擦れ合う摩擦が大きくなり、部品の摩耗や破損などの大きな故障に繋がります。ですので一見調子良く作動している状態でも、定期的にオイルを新しくする必要があります。車と同じようにこまめなメンテナンスをすることで、大きな故障を防ぐことが出来ます。
時計の不調には様々な原因があります。
・内部の油の劣化
・落としてしまったなどの衝撃
・パーツの噛み合わせや破損
・湿気やホコリ
・携帯電話やパソコンなどから発生する“磁気”の影響
そのまま無理にご利用頂いていると、大掛かりな修理を必要とする故障に繋がる恐れがあります。
腕時計内部の機械をバラバラに分解します。一つの時計の中に含まれる部品の数は、電池式で約50~80個、ゼンマイ式で約70~120個ほどもあります。そのひとつひとつが緻密で繊細なものばかりです。無くさず、壊さず、傷つけないように神経を集中させて順序良く機械をバラバラにしていきます。お持ち頂いた腕時計に不具合があった場合は、その原因を調査しながら分解をしていきます。
超音波洗浄機や手洗いによって、古い油や汚れを洗い流します。洗浄用のカゴに部品をひとつひとつ収めていき、専用の洗浄液を使用し、洗浄機の超音波と回転により細部の汚れを落としていきます。それでも取りきれない強固な汚れは刷毛(はけ)等を用い手洗いを行います。
バラバラにした時計内部の機械を元の状態に組み立てていきます。分解の時とは違い油を注しながら組み上げる必要があり、油の量も適切でなければなりません。油量が少ないと部品の磨耗につながり寿命を縮めます。逆に多いと油漏れが発生し、精度などに影響が出てしまいます。また、時計の部品には髪の毛よりも細い軸の部品もありますので、非常に神経を使う作業工程となっております。
専用の測定器を用いて1日の進み遅れを測定し調整を行います。機械の状態で一旦確認をし、調子が悪ければ再度分解からやり直す場合もございます。その後、機械をケースに収め、腕時計の状態にしてから1日の進み遅れを確認・調整します。最終確認は、専用のワインディングマシーンと呼ばれる装置を使用し、人が腕に時計を付けて一日を過ごす状態を擬似的に再現させています。
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